私が大学生の頃の話です。
書道の授業を選択していたのですが、その講師の先生が手相占いもできるということが学生に知られている人でした。
今では、なぜ書道の先生の手相占いが有名になったかは覚えていないのですが、先生が自分で「手相占いができる」と言ったのか、その授業をとっていた先輩に聞いたのかもしれません。
書道の授業が終わると、手相を見てもらいたい女子学生たちが、先生の周りを取り囲むのですが、先生は他にも仕事をしているために出そう占いはせずにすぐに帰ってしまうことも多かったので、なかなかチャンスはありませんでした。
ちなみに、先生はどんな人かというと40代で色白の少しふっくらした体型のメガネをかけた男の人で、いつもスーツ姿でした。穏やかなサラリーマンのような先生でした。 私は当時付き合っている彼氏がいて、その彼と結婚したいなと思っていました。書道の授業を受けているうちに、絶対に手相を見てもらおうと決意をしていました。
そんなある日、先生に次の予定がなく、授業の後に、希望する人は手相占いの時間をとってもらえるという日がありました。すぐに、列ができて、私もその列に並びました。 私の番はなかなか来なかったので、先生に聞くことを考えました。
「いま付き合っている人と結婚できますか?」「結婚するためにはどうしたらいいですか?」という2つの質問が浮かびました。 ようやく私の番が来て、手相を見てもらいました。先生は私の右手の小指の脇にある結婚線を見て、「今の彼と結婚することはない」「線が切れちゃってるから」とはっきりと簡潔に教えてくれました。
絶句する私は、何も言えなくなってしまったのですが、先生はいつ結婚するかも教えてくれました。先生が言うには「27、8歳ごろに結婚する」とのことでした。
18歳だった私には27歳は遠く感じ、何よりも今の彼とは別れるんだ、ということにショックを受けてしまいました。 この占いが当たったかというと、大当たりで、その後3ヶ月後ぐらいには見事に振られてしまいました。
そして、先生が言った通り、27歳で結婚しました。それが今の夫ですが、結婚生活には苦労もあるので、先生にもう一度「この結婚は続けた方がいいですか」と聞いてみたいです。